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    • 2016.05.16 Monday
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    秋風とコーヒー

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      決して良い目覚めではない

      体を起こすのに時間がかかりそうだ
      やすい酒を飲みすぎたんだ

      目を閉じて昨日のことを思い出そうとしたけど、思い出せなかった
      たいした事ではない、いつもと同じなんだ

      誰かが家で僕の帰りをまってるわけでもない、没頭できる趣味があるわけでもない
      仕事が終われば街に出ててきとうに目に付いたバーに入ればいつのまにか家に帰って寝てしまってるのさ
      その繰り返し、なにも変わりはしない

      テレビの上の時計に目をやる、午後の2時だ
      秋の穏やかな日の光がリビングの床に四角いプールを作っていた
      僕の足は両方とも光のプールに浸かっていた、ベッドまでたどり着けなかったらしい

      体が少し痛い、やさしいコーヒーの香りがする、心地良い。

      ん?

      コーヒー?

      リビングに目をやると秋の風が気持ち良さそうにコーヒーを淹れていた

      「だいぶうなされてたよ」

      「いつもの事なんだよ、気にしないでくれ」

      秋の風は丁寧にコーヒーをドリップしていた
      ゆっくり円を描きながら中心から外側へ、ふちにはお湯がかからないように優しく、外側から中心へ緩やかにお湯を注ぐ

      「うまいもんだね」
      「むかし勉強した事があるんだ」

      実際そのコーヒーは美味しかった
      ぼくがいつも使っている豆とは思えない味だ
      温かくて、まろやかで、後に引かない

      体中のアルコールがすっと消えていく気がした

      「退屈してたんだ、窓が空いてたから上がらせてもらったんだ」

      少し申し訳なさそうに秋の風が言った

      「いいんだ、今日は休みだし退屈なのは僕もそうさ」

      「迷惑じゃないかい?」

      「シロツメクサでドレスを編む予定だったけどまたにするよ」

      秋の風は秋の風がよくやるように柔らかく微笑んだ

      「君のジョークは他の人にはうけが悪いんだろうね」

      「ぼくは人前でジョークなんか言わない」

      秋の風と僕はいろんな話をした
      天気の事、最近のニュース、好きな食べ物とか嫌いな虫とか、他愛も無い話だ
      つまらない僕の話を秋の風は楽しそうにきいてくれた必要以上に細かく質問してきたり、真剣に自分の意見を言ってくれたりした
      僕の仕事の話になった
      僕はインド料理屋で働いてる
      これが少しマニアックなんだ
      大抵のインド料理屋は数種類のカレーとナンとラッシーさえ出せば客が来ると思ってる、もちろんスパイスの配合を変えて日本人に合うようにね

      うちの店はそうじゃない、とことんマニアックなんだ、使ってる食材もスパイスも調理法も
      カレーとナンとラッシー以外のインド料理もたくさん用意してある
      もちろんどれも美味しいよ


      「でもお客さんは普通のカレーはないのかと聞いてくるんだね?」

      「そうなんだ、それはそれで僕は良いと思っているんだけど」

      「たまに納得いかない時があるんだね」

      こんなに誰かと話したのは久しぶりだった、秋の風と話をするのは楽しかったし、気分が良かった
      僕は溜め込んでいたものを吐き出すように話し続けた

      「要するに客は自分が知ってるもの、イメージしてるものを求めてやってくるんだ、確かにインド料理屋だからカレーもナンもある、でもうちにはもっともっと素敵な料理が用意できるんだ、客が知らないものに出会えるチャンスを与える事ができるのに、お決まりのメニューしか頼まない客にしばしば疑問を感じるんだ、なぜメニューに知らない単語があるだけで興味をもたない?自分が知っているものだけを求めていてはつまらないんじゃないのかい?って思ってしまうんだよ」

      秋の風は僕の話を噛み締める様に少しの間目を閉じて、それから話した

      「君は音楽は聞くかい?」

      少し面喰らった、音楽だって?
      「聞くは聞くけど、どうしてだい?」

      「こんど面白いイベントがあるんだ、きっと新しい発見があると思うよ、君も料理だけじゃなくて色んな物に興味を持って生活してごらん、きっと色んな事が楽しくなるから」

      訳が分からなかった、なんで秋の風にイベントのお知らせをされなきゃいけないんだ、僕はちょっと気を悪くした

      「音楽なんか今は聞きたくないんだ、君の話はもう良いから出てってくれ」


      彼は静かに窓から出て行った

      やれやれ

      夢でも見ていたのか

      急に静かになった部屋で呆然としていると秋の風がまたやって来た


      「フライヤー渡すの忘れてたから、じゃあまたね」




      「SAFARIか、、、」



      秋の風が淹れてくれたコーヒーは冷めてもおいしかった。





      SAFARI

      9/23(金)
      おところ:DAYTRIVE

      出演:
      HOTHOTSEX
      世界的なバンド
      Psysalia Psysalis Psyche
      The Brixton Academy
      ジョセフ・アルフ・ポルカ








      にしぴのアキラ




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        • 2016.05.16 Monday
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        コメント
        今年は喜響堂ライブはないんですか??楽しみにしてたんですが、、
        • udmn
        • 2011/09/16 2:22 PM
        やりますよ!僕らは運営はしませんが11/3に出演します。
        • ひらが
        • 2011/09/18 5:26 AM
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